「Blender 目 作り方」等のワードで検索すると、このタイプのリアルな目を画像テクスチャを使わずにマテリアルだけで作成できるといった内容の動画が、それなりにでてきます。

しかし作ったあとの使い方まで説明されている動画は見たことがありません
実際に人体に配置してみると・・・




ホラーやんけ!!!
使い方にクセがあり、なかなかの初心者泣かせな代物です。
目として、おかしなことにならずに配置するためには、3つの方法があります。
- おかしくならないように注意して使う
- ジオメトリーノードの使用
- ベイク
1が一番簡単な方法になります。
注意点がいくつかあるので、それを守って使えば正しい位置に配置することは可能です。
ただしボーンを使って動かす場合にはどうしてもマテリアルがズレる現象が発生します。
ボーンを使って動かしたいのであれば、2か3の方法で使用しましょう。
2は少し難しいです。
しかし後々、目の色や細部のディテールを変更したくなった場合でも融通が利き、ボーンで動かしても問題が発生することがありません。
この方法が一番オススメです。
3は、UnityやUnreal Engineのような外部ツールにもっていく場合の必須の方法となります。
ただしベイクしてしまうと、色や細部の手直しをしたくなった場合に、再度ベイクをやり直す必要が出てくるため、かなり面倒です。
UnityやUnreal Engineのような外部ツールにもっていく場合でも、全て完成してからのほうがいいかと思います。
1. おかしくならないように注意して使う
出来るだけレンダープレビューで作業しよう
目にグラスを使っている関係上、レンダープレビュー以外で作業をすると、瞳の位置がズレてしまっていても気づけません。






レンダープレビューは重いので、どうしてもマテリアルプレビューかソリッドモードで作業したくなりますが、出来るだけレンダープレビューで作業してください。
もしどうしてもPCのスペック的に無理があるなら、作業はソリッドモードかマテリアルプレビューで行い、1つ作業をするごとにレンダープレビューに切り替えて変になっていないか確認するようにしてください。
レンダープレビューは初期状態だと、このように真っ暗です。
ちゃんと見えるようにしようとすると、ライトの配置が必要になります。




ライトの設定が面倒な場合は、ビューポートシェーディングのシーンのワールドのチェックを外してください。
このように、ちゃんと見えるようになります。


またワールドの不透明度を触ると、背景の表示度合を変更することができます。
ただしこの方法は間に合わせ的なものになりますので、この表示結果でレンダリングすることはできません。
レンダリング時に同様の表示結果を得たい場合は、ワールドプロパティの設定から環境テクスチャを適用してください。
環境テクスチャの適用方法は下記記事をご覧ください。


編集モードで触ってはいけない
このタイプの目のマテリアルは、オブジェクト座標を基準につくられていますので、ローカル軸を触るとズレてしまいます。






編集モードでは絶対に触らないようにしましょう。
オブジェクトモードでは問題ありませんので、拡縮・回転・移動は必ずオブジェクトモードで行ってください。




オブジェクトモードで、縮小、移動、回転を行い、まずは左目になるように調整します。


左目として配置しました。
モディファイアのミラーは使ってはいけない
右側にも目を配置するために、一番やりたくなる方法はモディファイアのミラーでしょう。


しかしモディファイアのミラーを使うとこのようになってしまいます。
編集モードで触ってはいけないのと同じ理由でこうなります。



ミラー使えんとかどないしたらええねん
この目は、1つが1つのオブジェクトとして独立していないとマテリアルが崩れてしまいますので、右目も1つのオブジェクトである必要があります。
ということで、オブジェクトを反転コピーして右目を作ります。
オブジェクトの反転コピーのやりかたは、下記記事をご覧ください。




オブジェクトを反転コピーして、無事に両目の配置ができました。
オブジェクトの統合をしてはいけない
リギングを行う際に、オブジェクトは全て統合しないといけないかのような解説をしているチュートリアル動画をたまに見かけます。
そのやり方を踏襲しようと、オブジェクトを統合してしまうと……







白目になっちまったぁー!
ここまでで、目のオブジェクトは独立させておく必要があると説明していたので、原因はお分かりかと思います。
ではリギングはどうやるのかと思われるかもしれませんが、オブジェクトの統合はしなくても可能です。
アーマチュアと紐づけるオブジェクトはいくつあっても問題ありませんので、それぞれが独立したオブジェクトのままで作業してください。
目のリギング
両目と体を選択し、最後にアーマチュアを選択(アーマチュアがアクティブ選択になっている状態)、
Ctrl+P→空のオブジェクトで といういつもの手順で紐づけます。




アーマチュアとの紐づけができました。
ウェイトは普通の手順で行います。ただしウェイトペイントに移動する際は、オブジェクト1つずつの作業が必要となります。
左目、右目のウェイトは、それぞれ下記のようになります。
(体のオブジェクトは邪魔なので非表示にしています)






首を動かして、ちゃんと動くかも確認します。
顔からはみ出たり置いていかれることはありませんので、一見問題なさそうに見えるのですが……


レンダープレビューに切り替えると、白目になっています。
Alt+Rで首のボーンを元の位置に戻します。
元の目に戻りました。




どうなっているのか確認するために、レンダープレビューのままで、首を回転させてみましょう。
瞳だけが元の位置から動かず置いて行かれてしまいました。
目のオブジェクト自体はちゃんと動いているのに、マテリアルがついてきてくれていません。
これも、マテリアルをオブジェクトの座標軸で設定している弊害です。
ボーンで動かしても、マテリアルがズレないようにするには、ジオメトリーノードを使うか、ベイクするかの2択になります。
2. ジオメトリーノードの使用
ジオメトリーノードの詳しい設定方法は、下記記事を参照してください。


この方法であれば、1のやり方と違って編集モードでの変更も可能になります。
ただしミラーが使えない点は1と同じなのでご注意ください。
3. ベイク
ベイクについては下記記事をご覧ください。